必要条件と十分条件の混乱の元
ただの素人の遠吠えなのですが、「必要」と「十分」はもっと日常的なことなのに、この書き方というか教え方が混乱の元じゃないかと思う。
混乱の元①「ならば」
「~ならば~」というと、「(条件)ならば(結果)」のように捉えてしまう。
条件というのは「もし~なら」ということでは?(結果)なのに必要条件って?
混乱の元②「必要条件と十分条件はひっくり返し」
セロリは野菜であるための十分条件
野菜はセロリであるための必要条件
必要条件と十分条件はひっくり返した関係です、ってそういうものなの?
混乱の元③「説明の時の微妙な言い換え」
セロリであることは野菜であることを保証するために十分な条件といえる
セロリであるためには野菜であることが必要な条件といえる
無理があるから言い換えている?
混乱の元④「例が絶対に成り立つ包含関係」
セロリ ⊂ 野菜、チワワ ⊂ 犬、新宿 ⊂ 東京、x=2 ⊂ x^2=4
自明な包含関係のある例のせいで、かえってわかりにくい気が。
もっと日常的なことから
混乱の元④のような例ではなく、例えばこんなのとか。
「本番を成功させるには〇〇さんの力が必要です!」 → 必要条件
「これだけ準備したんだから明日の本番には十分だと思う」 → 十分条件
必要条件のほうは、もちろん〇〇さんの力だけでなく、他にも必要なことはたくさんある。もし、本番の成功に必要なことをすべて書き出せたら、それは必要十分条件。
十分条件のほうは、本番を迎えてみれば、やらなくてもよかった準備も含まれているもの。 もし、やらなければいけなかった準備だけをやったら、それは必要十分条件。そもそも本番が失敗したら、準備不足=十分条件が満たされていない=必要なことが欠けていた。
他にも(人の状況によるけど)
「1か月生活するのに5万は必要」 → 必要条件
「1か月生活するのに100万あれば十分」 → 十分条件
1か月生活するのにぴったりな金額だと必要十分条件。
pとqに意味を
混乱の元②のひっくり返しと混乱の元③の言い換えは、「p⇒q」の形にこだわりすぎて必要条件と十分条件の対象が変わっているのに同列で扱おうとしているせいでは?
記号をもう1つ増やせば無理なく表現できると思う。
この包含関係を採れば、セロリと野菜のような関係性ではなく、Rを中心とした必要条件と十分条件の例になると思う。
「ならば」
混乱の元①のただの記号の読み方なので気にしなければよいかと。
常に「ならば」とは限らないし。
テストの十分性
テスト漏れがあったときに、十分性を説明するときのイメージ。
あるバグが発生する条件
あるバグがどういう操作をしたときに発生するか書くときに、完全な条件を書けないときもある、というイメージ。
左図の場合、A1かA2の操作をするとバグが起きるが、調べていけば他の操作でも起きるかもしれないような場合は必要条件。
右図の場合、Bの操作をするとバグが起きることがあるが、100%起きるわけではない場合は十分条件。
完全な条件は、バグが発生するための必要十分条件。
他に
結婚相手の条件とか。
「年収〇〇以上、年齢〇〇歳以下、~」 → 必要条件
「この人といられれば十分」 → 十分条件